新街道を行く(2)伊丹記念館は楽しい
今回の伊予の旅では、今年開館したばかりの伊丹十三記念館を訪れました。こちらは東京テイストのホスピタリティで、スタッフが素敵なおもてなしをしてくれました。黒のテイストで統一された建物の外装は、坂の上の雲記念館とは好対照で”チョイ悪オヤジの館”とでもいうべきものでしょうか。展示にも個性があり何が出てくるかワクワクしました。
細内所長は、1978年、今から30年前、伊丹さんに長野県の上田駅でお会いし、一緒に写真に納まりました。それ以来の伊丹贔屓です。奥さんの宮本信子さんも大好きな女優さんの一人です。お似合いのご夫婦でした。
今回の伊丹記念館の企画は奇抜でした。まず入り口では、宮本信子館長の”ご挨拶ビデオ”でした。彼女の映像は、お顔が鮮明にでますので、彼女の人生経験の数だけ ”おしわ”が発見されました。そして圧巻は”お葬式の祭壇”の展示でした。伊丹監督の”お葬式”のロケ現場再現でしたが、祭壇には少しドキっとしました。伊丹(宮本)流らしい演出でしょうか。
これは私見ですが、ここ5年くらい毎年松山に来ていますが、生活のリズムとでもいうべき”テンポ”ですが、東京のテンポと微妙にずれているのが松山のテンポです。夏目漱石は、この松山のテンポにあわず、坊ちゃんという人物に自分を投射して表現したのでしょうか。江戸っ子には、松山のテンポが少しじれったく感じるのでしょう。
そしてもう一つ、今回の訪問で発見したことは、伊丹十三自身が”現代の坊ちゃん”だったことでした。彼は京都生まれで、父親は有名な映画監督、父親の死にともない父の郷里松山で少年時代を過ごしますが、松山の高校時代の記念写真にはみんなが制服のなか、彼一人だけが私服で写っています。彼の人生遍歴から直感的にそう感じました。現代の坊ちゃんは伊丹十三だったのです。そう感じさせる伊丹十三記念館でした。
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