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2008年5月

2008年5月28日 (水)

良い町の条件とは

 昨日、東京の大手町でコミュニティFM放送のインターネット化(サイマルラジオという)についての記者会見があったが、そのなかで、良い町の条件について、一つの意見が述べられていたが、まさにそのとおりであると思った。

 それは「良い都市(町)には良いメディアがある」という意見であるが、言葉を返せば、地域コミュニティの独自情報を発信できるところが良い町の条件の一つであろう。湘南逗子なら湘南逗子の生活文化を、沖縄なら沖縄の生活文化を自由に発信できることである。

 最近、地図上どこにあるのかわからない、特徴のない都道府県がニュースになるが、まさにこのことだろう。つまり、それらは極論すれば決して良い町、良い県とは言えないのである(ただしわるい町やわるい県ではない)。

 以前顔の見えない日本人が話題になったが、コミュニティFM放送は、サイマルラジオにすれば、世界に向けて、小さな町でも独自の町の生活文化情報が発信できる、古くて新しいメディアに変貌できるのである。

 サイマルラジオは、元気のない街中、商店街、漁村、農村、温泉地、過疎地など、使い勝手は今後多様になり、小さいながらも全国に200局あるコミュニティFM放送もインターネット活用で大きなインパクトになりえるのである。

2008年5月15日 (木)

幻の手塚治虫ワールド

 前回の福祉介護のロボットから、わが愛する手塚治虫の名前が浮かんだが、細内所長は10数年前、手塚関係のある幹部さんから”手塚治虫ワールド”事業構想のご相談を受けたことがある。国産テーマパークは、結果として幻に終わったが、実現していれば川崎沖に誕生し、羽田空港からのアクセスが確保されたことであろう。

 純国産のテーマパークは夢として消えたが、当時は、たしか5案に及ぶ事業構想書を拝見した記憶がある。細内所長は当時住信のシンクタンクで地域開発の研究調査(追記:http://cbhakase.cocolog-nifty.com/blog/2022/01/post-7cb0d3.html)を担当していた。

そんな関係でコメントを求められたわけである。わが国を代表するシンクタンクのもの、大手広告代理店のもの、手塚関係のものと、事業構想書は多彩を極めていた。しかし一番事業構想に夢があったのが、手塚治虫の思想を受け継ぐ、手塚プロダクションの作成したものだった。今でも印象に残る”手塚治虫ワールド”のメイン・エントランスは、手塚先生のトレードマークであったベレー帽を模してあった。夢のある事業構想書であったが、実現しなかったのが、いまでも大変残念なことである。

 そして手塚プロの幹部さんから、クリスマスイブの日に”鉄腕アトムのケーキ”を、その御礼として東京神谷町の職場(当時、その半年前に住信基礎研究所からヒューマンルネッサンス研究所へ転籍していた)まで直に届けていただいたのが今でも強く印象に残っている。

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当時頂いた年賀状と手塚治虫ワールドの基本構想書

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その後、所用で東京高田馬場にある本社を訪問した時のもの

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リボンの騎士は私の好きなキャラクターの一つ

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ブラックジャックは、医師の資格を持つ手塚先生にしか描けないシリアスなドクター・キャラクターである

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少子化は深刻だ、いまこそ介護ロボット開発を

 最近、福祉医療系の専門学校が苦戦している話をよく耳にする。募集定員をはるかに下回るため、募集停止に追い込まれるところも出てきているそうだ。その手の新設大学や短大も学生が集まらず、定員割れしているところが少なくない。これもすべて少子化の影響だ。

 10年前に多くの幼稚園が閉園に追い込まれた。今その子たちが20歳前後だ。高齢社会が本格化し、現役2人で1人の高齢者を支える時代はいますぐそこだ。それなのに福祉医療系を目指す若者が激減しているという。求人は多いのに、その系統の専門学校や新設大学が学生集めに頭を痛めているという。親も大切な一人っ子に賃金の安い、しかも長時間・重労働の伴う介護はさせたくないという。

 ならば誰が人の助けを必要としている多くの高齢者の面倒を見るのか。私はアトムの時代だと直感する。もし手塚治虫が生きていたら、福祉介護のロボットを登場させることだろう。わが国の一流ロボット開発者は、鉄腕アトムの漫画・テレビで育った世代だ。今こそ手塚治虫を超える福祉介護のロボット出現が急務だ。トヨタもホンダも村田もオムロンもセコムも、みんな競ってロボット開発に挑戦している。ロボット開発が進めば、わが国の近未来も決して暗くはない。

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2008年5月 6日 (火)

定番商品は世界をかけ巡る

 先日の中欧旅行では、ハンガリーのブタペストで温泉に入りましたが、ハンガリーがかつて神聖ローマ帝国の一部だけあって立派な浴場でした。14年前に訪れたドイツのバーデンバーデンのフレーデリッヒ大浴場にも勝るとも劣らない設備でした。東洋人的な顔つきの人もいれば、西洋人的な人もいて、ご当地が東洋と西洋の接点にあることをお風呂で実感しました。

 さて細内所長のいつものわるいくせ(現地で使用するため、リックや鞄、帽子を購入すること)で、ハンガリー市内のスポーツ店で有名スポーツメーカーのリックを購入してしまいました。ホテルで中身を確認すると、なんと中国製でした。早速使用するために明日の資料をリックの中にいれましたが、不思議な気持ちになりました。中国で製造され、運ばれてハンガリーのブタペストで売られ、東京で使われるリックの運命はいかに!地球を半周ぐらいして、また極東に戻ってきたのですね。このように商品はいま世界をかけ巡っています。

2008年5月 4日 (日)

湘南ビーチFMに月一出演することになりました

 細内所長は、4月30日の水曜日に、湘南ビーチFM(コミュニティFM放送)に出演するため、神奈川県の逗子・葉山へ行ってきました。平日の午前に毎日放送している森川いつみさんの番組『デイリー逗子、葉山』の中で、この4月から、"ハッピーコミュニティ・ビジネス"コーナーが設けられ、月一回ですが番組のコメンテーターとして毎月末に出演することになりました。

 初回の番組は、午前10:40~11:00までの20分間でしたが、少し緊張しました。森川さんのリードで無事終了し、ホット一息です。

 コミュニティ・ビジネスを起こすことによって人も元気になる、地元の企業も協力することで元気になる、そして町全体も元気になる。そうしたお話を全国の先進事例を交えてコメントしていきます。湘南ビーチFMは、インターネット http://www.simulradio.jp/  から24時間いつでも聴くことが可能です。ですからコミュニティFMは、古くて新しいメディアになりました。海外の駐在員さんもよく聴いているそうです。

 コミュニティFMの放送局のある葉山マリーナ一帯は、日本のヨット発祥の地です。裕次郎灯台も、富士山も、そして江ノ島も、目の前に見えます。

 放送終了後、マリーナにあるレストランでコーヒーを飲み、緊張でお腹が少しへこんだので、近くにある漁師さんの奥さんがやっているという”あぶづり食堂”で煮魚定食を美味しくいただき、バスに乗って逗子駅まで出ました。バス停近くの海岸では、中央大のヨット部がセーリングをしていました。

 所長も10年前に中央大の兼任講師をしていたことをふと思い出しました。そういえば、そのご縁で10年前に拙著「コミュニティ・ビジネス」も中央大出版部から上梓しました。みなさんのおかげでいまだに読まれており、8刷りまでいっています。

わが国の首長の顔はどこも苦渋色

 最近、福田首相も、大阪府の橋本知事のテレビ顔も、とみに渋くなっている。細内所長が先日全国市長会で講演したときも、地方の首長さんの顔がとても渋かった。どこも税収増は望めないし、公債比率は危険ラインに近づき、負債で首が回らないというのが現実だろうか。

 大阪府が5兆円の負債、北関東の県民所得上位県でさえも、なんと1兆円の負債があり、国も800兆円の負債があり、どこもかしこも首が回らない。こうした借金体質がわが国に蔓延している。

 東京にすべてのことが1極集中しているのが問題で、わが国の富の法則では、地域間格差は拡大の方向にあり、遠心分離機のように、その加速度はハイスピード基調にある。これが地方に行くと、まったく同じ現象が起きており、”県庁所在地と中山間地、過疎地”の対立軸が”東京と地方”の構造内に組み込まれ、3重構造となっている。わが国のこの手の問題はたいへん深刻である。

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