経済の発展・衰退は、今の格差社会そのものだ
先週のホソウチ所長は、長野県上田市での講演を終えて、久しぶりに長野県の東信地方をまわってきた。
東信(東信濃)の上田市、小諸市、佐久市の3都市であるが、車社会の進展と新幹線の開通による町の発展は明暗を分けた。功罪相半ばする経済のこうした発展・衰退は今の格差社会そのものである。
特に小諸の町の駅前の衰退は目に余るものがある(所長は小学生のとき、1970年に初めて小諸を訪れている、以来毎年のように浅間山を見たくて訪れている)。新幹線のルート駅から外れ、かつての特急停車駅のJR信越本線が3セクの”しなの鉄道”になり、駅前商店街の多くはシャッターが下りたままである。しかも町一番の観光資源、小諸城・懐古園、そして島崎藤村記念館、小山敬三美術館への道程は、商店街を通らずとも駅舎から線路を跨ぐ高架橋が架けてあり、観光客誘導動線にやや問題がある。
一方、新幹線の新駅が作られた佐久市の佐久平駅は大発展を極め、大型の商業施設が設置され、さらにロードサイド型店舗の集積を加速させている。しかし同じ佐久市内の既存の商店街、すなわち中込、岩村田、野澤の各商店街は、小諸駅前の商店街と同じシャッター通り化している。かつての賑わいは二度と取り戻せないほど疲弊してしまった。
今の格差社会は、こうした経済発展によって作られている。新幹線(グローバルビジネス)をつくることによって、在来線や既存商店街等の町の経済(ローカルビジネス)を分離し、新幹線黒字化の目処(東京の効率性をますます高める)を付けようとする。昨今の大手メーカーと派遣労働者や期間労働者の問題とまったく同じ構造である。
閑話休題
少し元気になる話題を1つ
小諸市には”浅間山”という偉大な自然、活火山がある
その浅間山まで小諸駅から登山鉄道を敷設したらどうだろうか
スイスの登山列車がよい見本だ(所長はスイスに調査に行ったことがある)
またイタリアには
赤い火を吹くあの山へ、登ろう登ろう
そこは地獄の釜の中、のぞこうのぞこう
登山電車が出来たので、誰でも登れる
流れる煙は招くよ、みんなをみんなを
行こう行こう火の山へ、行こう行こう火の山へ
フニクリフニクラ!フニクリフニクラ!!
誰ものる、フニクリフニクラ
という、その手の歌もある
こうした夢は大きい方がよい