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2009年1月

2009年1月26日 (月)

経済の発展・衰退は、今の格差社会そのものだ

 先週のホソウチ所長は、長野県上田市での講演を終えて、久しぶりに長野県の東信地方をまわってきた。

 東信(東信濃)の上田市、小諸市、佐久市の3都市であるが、車社会の進展と新幹線の開通による町の発展は明暗を分けた。功罪相半ばする経済のこうした発展・衰退は今の格差社会そのものである。

 特に小諸の町の駅前の衰退は目に余るものがある(所長は小学生のとき、1970年に初めて小諸を訪れている、以来毎年のように浅間山を見たくて訪れている)。新幹線のルート駅から外れ、かつての特急停車駅のJR信越本線が3セクの”しなの鉄道”になり、駅前商店街の多くはシャッターが下りたままである。しかも町一番の観光資源、小諸城・懐古園、そして島崎藤村記念館、小山敬三美術館への道程は、商店街を通らずとも駅舎から線路を跨ぐ高架橋が架けてあり、観光客誘導動線にやや問題がある。

 一方、新幹線の新駅が作られた佐久市の佐久平駅は大発展を極め、大型の商業施設が設置され、さらにロードサイド型店舗の集積を加速させている。しかし同じ佐久市内の既存の商店街、すなわち中込、岩村田、野澤の各商店街は、小諸駅前の商店街と同じシャッター通り化している。かつての賑わいは二度と取り戻せないほど疲弊してしまった。

 今の格差社会は、こうした経済発展によって作られている。新幹線(グローバルビジネス)をつくることによって、在来線や既存商店街等の町の経済(ローカルビジネス)を分離し、新幹線黒字化の目処(東京の効率性をますます高める)を付けようとする。昨今の大手メーカーと派遣労働者や期間労働者の問題とまったく同じ構造である。

閑話休題

少し元気になる話題を1つ

小諸市には”浅間山”という偉大な自然、活火山がある

その浅間山まで小諸駅から登山鉄道を敷設したらどうだろうか

スイスの登山列車がよい見本だ(所長はスイスに調査に行ったことがある)

またイタリアには

赤い火を吹くあの山へ、登ろう登ろう
そこは地獄の釜の中、のぞこうのぞこう

登山電車が出来たので、誰でも登れる
流れる煙は招くよ、みんなをみんなを

行こう行こう火の山へ、行こう行こう火の山へ
フニクリフニクラ!フニクリフニクラ!!
誰ものる、フニクリフニクラ

という、その手の歌もある

こうした夢は大きい方がよい

2009年1月18日 (日)

鳥海山麓に電車塾が走る

 ホソウチ所長は、30数年前に当時の国鉄に”パチンコ列車”を走らせようという小論文を大学同好会の機関誌に書いたことがある。

 そして今年度、秋田での”コミュニティ・ビジネス起業塾”(地域雇用創造協議会主催)では、パチンコ列車ならぬ、3セクの高原鉄道の電車のなかで、高校生等を相手にした学習塾を起業しようとするコミュニティ・ビジネスの事業企画案が、受講生の中から出てきた。電車内で学習塾起業とは何と面白いことではないか、こうした奇抜なアイディアをサポートする行政や企業が出てきてもいいのではないか。支える仕組みはいくらでもある。

 いまこそ”チェンジ”のとき、こうした芽を育てることこそ、地域再生の第一歩ではないだろうか。

2009年1月 9日 (金)

経済産業省が音頭をとるソーシャル・ビジネス

 ホソウチ所長は,平成20年の年末に広島市で開催された中国地域のコミュニティ・ビジネス&ソーシャル・ビジネス推進協議会設立のシンポジウムで基調講演を行いました。

その内容は下記の通りでした。

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日時:2008年12月18日(木)15:00~18:00
場所:メルパルク広島6階 平成の間
   (広島市中区基町6-36 TEL:082-222-8501)
参加費:無料

プログラム
15:00 開会挨拶 長尾雅彦(経済産業省中国経済産業局長)
15:05~15:20 特別講演「中国地域CB/SB推進協議会への期待」
     大塚洋一郎(経済産業省大臣官房審議官・地域経済担当・地域エネルギー担当)

15:20~16:20 基調講演「地域を元気にするコミュニティ・ビジネス」
    細内信孝(コミュニティビジネス総合研究所所長、コミュニティ・ビジネス・ネットワーク理事長)

16:20 トークセッション
     吉長成恭(広島国際大学大学院教授)
     安藤周治(【広島】株式会社わかたの村取締役)
     守屋基範(【岡山】NPO法人かさおか島づくり海社営業部長)
     木織雅子(【広島】NPO法人工房おのみち帆布理事長)
     吉岡永裕(【山口】船方農場・みどりの風協同組合専務)
     河部真弓(【島根】NPO法人結ま~るプラス理事長)
17:20 中国CB/SB推進協議会設立総会

主 催:中国CB/SB推進協議会、中国経済産業局(経済産業省)
事務局:中国CB/SB推進協議会、中国地域ニュービジネス協議会
申込先:NPO法人ひろしまNPOセンター

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上記のように、国がコミュニティ・ビジネスやソーシャル・ビジネスを促進することは、しごく当然のことなのです。こうした社会開発は、本来、民間の、しかも市民の心意気で進めるべきものです。市民社会の形成は、市民自らが作るものなのです。

そんな熱気を感じた中国地域のコミュニティ・ビジネス&ソーシャル・ビジネス推進協議会設立のシンポジウムでした。

閑話休題

 今年は選挙の年ですが、鎌倉幕府源頼朝以来の”一所懸命”の精神は、現代社会にも受け継がれ、議員の子息は議員になり、スポーツ選手の子息はスポーツ選手になる。親の職業を受け継ぐ精神は、現代社会にも面々と受け継がれていますね。小選挙区だからこそ、ますますこの”一所懸命”が活きてくるのです。そしてここでも和洋折衷の精神が生きています。西欧の民主主義と鎌倉の一所懸命の融合が。

 この”一所懸命”の精神こそが、わが国の精神・価値構造や土地本位制度、地域社会の階層構造、そして職業を考える上で大切な要素なのです。

地域コミュニティ批評家 ホソウチハカセ 

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