ソーシャルビジネスとコミュニティ・ビジネス
ソーシャルビジネスは、主に都市型ビジネスで都市の諸問題解決にビジネスで取り組みますが、インターネット等の活用で必ずしも相手の顔が見えなくても成立します(クラウドファンディングなどが該当)。しかし時には革新的なビジネスを生み出すこともあります。
一方、コミュニティ・ビジネスは、主に地域コミュニティの問題解決に地域活動やビジネスで取り組みますが、その基本は人と人、人と地域・自治体、人と企業を結ぶ人間主体の互助的・互酬的なビジネスです。そして中には事業が高度に成長するとソーシャルビジネスと同じようになります(後述する郷土食のおやきや葉っぱビジネスがそれに該当する)。
ソーシャルビジネスとコミュニティ・ビジネスは、重なる部分が大きいというのもその両者の基本的特徴です。それは都市部でも地域コミュニティが存在するからです。ソーシャルビジネスの事例には、都市部における有機野菜の販売事業や病児保育事業、クラウドファンディング事業(資金調達力の大きいところはほとんどが都市部に事務局を置く)などが上げられます。これらは地方・中山間地・過疎地では成立しにくい(採算に乗りにくい)という特徴を持っています。
一方、コミュニティ・ビジネスの典型的な事例には、長野の過疎地における郷土食おやきの製造販売や徳島上勝町の葉っぱビジネスなどが上げられます。これらは過疎地における地域資源の高度利用、ICTの利活用、高齢者の有効活用など、総合的な地域活性化を狙っている典型的な先進事例といえます。しかしながらCBの大方は身の丈サイズの小さなビジネスです(シニアや女性、職に就いていない若者などの社会参加の場(コミュニティ)としてとらえればその意義は大であります)。
以下に、細内所長が主任講師を務めたソーシャルビジネス&コミュニティ・ビジネス講座の開催事例を紹介しましょう。
ソーシャルビジネス&コミュニティ・ビジネス入門講座(つくば市)
ソーシャルビジネス・サポーター養成講座(水戸市)
ソーシャルビジネス&コミュニティ・ビジネス入門講座(水戸市)
茨城県の県民人口は約300万人。都市部と農村部が混在するエリアを多数抱えます。
特に水戸市とつくば市(大学や企業の研究所が集中する学術文化都市)は、その周辺地域だけでも百数十万人の人口を抱え、先端的なソーシャルビジネス、コミュニティ・ビジネスが出現しています。
日本の中でもたいへん面白い地域の一つといえるでしょう。
« 非営利株式会社も震災特区の一つとして認めて欲しいものだ。 | トップページ | 世の中便利になったが消えていく事象も少なくない »
「地域」カテゴリの記事
- 古代の文字文化をもたない人々の暮らしを想う(2024.07.05)
- 持続可能な地域コミュニティとは(2024.05.18)
- まちの特徴を考える(2023.10.04)
- 北海道、東北の人口減少が今とんでもないことになっている(ブースター版の記事) (2022.11.14)
- 都道府県の魅力度ランキング、40番以降の北関東各県は50歩、100歩の違いしかない(2021.10.15)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント