« サッカーのように12番目のプレヤーがコミュニティにも必要だろう | トップページ | ”地域の知恵”がいま問われている »

2014年7月 1日 (火)

これからの人口減少社会と新たな視座~人口が自然に減ることも良しとする大人の文化がそこには必要だろう

先日母方の従兄弟会があったので、事前に幕末からのご先祖を除籍簿と過去帳から調べてみた。

江戸幕末のわが国の人口は約3000万人で、食料のベース・米の生産高も約3000石、一人が食べる米の量を1年で1石としている。その1石は米150キロ分=2.5俵であり、米の生産高と人口のボリュームバランスが上手くとれていた。つまり身の丈サイズの日本列島だったのである。江戸時代が270年間平和であったのはこの身の丈サイズの御蔭なのだ。

しかし米の不作が続くと飢饉となって米騒動が起きた。大坂の大塩平八郎の乱はこの現象の一つ。江戸幕府の崩壊はペルリの来航だけでなく、天明天保の飢饉が真の原因とも言われている。

さて本題に戻ると、小生から4代前は安政4年生まれで、明治・大正と生き抜き、何と子供が12人もいた。地方の城下町で乾物問屋を営んでいたのでわりと裕福であり、当時の国策にも乗って子沢山となったらしい。そして3代前は明治8年生まれで、こちらも子沢山の9人。また2代前の明治32年生まれの祖父は子供が6人と、昔は兄弟や家族が多かった。

その結果、江戸幕末の人口3000万人が、現在その4倍の約1億2千700万人となっているのである。この子供の数の変化は父方も同じで、明治・大正・昭和と続く一般庶民の家族構成を表している。

これからの人口減少社会とは、この明治維新以来の上昇回転サイクルが逆回転し始めていることで、このことに気づくことが重要であり、もはやその流れを食い止めることは人類史的に見ても困難なことなのかもしれない。

こうした先人たちの家族構成の経緯や経験を踏まえ、わが国の進行する人口減少社会像を一人ひとりの生活がある地域コミュニティの現場で議論すべきだろう。そこから議論してこそ、はじめて独居高齢者の問題や老老介護の問題、子育てと両立する女性の働く場所などの地域・家庭問題に新たな視座が見えてくる。

人口が減少する地域社会の中で身の丈サイズの生活感が多くの人々を真に幸せにするが、グローバル主義やデジタル資本主義は膨張や拡散するだけで、多くの人々を傷つけ、ほんの一握りの人の幸せしか満足させない。

人口が自然に減ることも良しとする大人の文化がそこには必要だろう。

これを”足るを知る”とも言う。

« サッカーのように12番目のプレヤーがコミュニティにも必要だろう | トップページ | ”地域の知恵”がいま問われている »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。