起こせ!コミュニティ・イノベーション。超高齢社会はチャンスだ。郵便局は地域でコミュニティ・イノベーションを巻き起こすだろうか
ここ3年の当社への問い合わせを見ると、買い物弱者支援、生活弱者支援のビジネスが着実増えている。
いずれも地域コミュニティの互助、共助の仕組みをどう再構築していくか、という地域視点での問い合わせだ。
そして買い物弱者・生活弱者支援を司るコーディネーターやアドバイザー養成の研修依頼がとみに増えている。

新潟市では自治会、中学校が連携し、中学生が独居高齢者のゴミ出しのお手伝いをする
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国の介護保険は余分な財源がなく、要支援を移管される地方公共団体単独では、地域の喫緊の課題を解決できない。特に高齢化率の高い過疎地は深刻だ。
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そこで地域にある自治会や町内会、中学校や高校・大学、商店街、商工会、電鉄会社、社会福祉協議会、生活者協同組合、NPO法人、デイサービス、社会福祉法人、地域包括支援センター、農協、警察消防などが一緒になって、地域課題を解決するために戦略コミュニティに取り組む。ICTで結ばれた動的なネットワーク整備が、いま試行錯誤のなかで新しい互助、共助の構築を急いでいる(詳しくは拙著「新版コミュニティ・ビジネス」学芸出版社の P.178~P.180を、参照されたし)。
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そしてそこに最近急速に地域進出してきたのが”本業で社会貢献をうたうセブン&アイ”を筆頭とするコンビニ店舗(5万1千店)だ。また一方2万4千局のコミュニティデポを持ち、135年の伝統と地域に安心・信頼感がある郵便局だ。日本郵政グループ3社(日本郵便は上場せず)は今秋上場するが、果たしてコミュニティ・イノベーションを巻き起こすことができるかだ。それによって企業価値が増減するといっても過言でない。
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環境に配慮した小型電気自動車。500円から弁当等を近隣住民へ無料で配達する
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郵便局には郵政グループとして約44万人の職員がバックアップする。もし彼らが本気で地域コミュニティの互助・共助、生活支援の仕組みづくりに参加してきたら、また彼らとコンビニとの相互補完関係が上手く行き、筆者が言うところの”戦略コミュニティ”が全国各地に構築されれば、個人生活の質を高めるコミュニティ産業として、全国各地にコミュニティ・イノベーションを巻き起こすことであろう。
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郵便局とコンビニが並ぶ京都府大山崎町の山崎駅前広場
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(生活支援・介護支援を中心に)ロボットの力をフル活用し、明るい未来社会を拓くことを期待したい。将来コミュニティのことを第一に考える人工知能付きのコミュニティ・ロボットの出現も待たれる。
*現在簡単な話し相手ならロボットも即戦力となるが、問題はコストだ。
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