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2015年4月 2日 (木)

未来は先人の歴史や行動様式を分析・観察することで見えてくる

これからの社会に求められる理想の人物像は、一言でいえば変化に対応でき、自分の才能、能力を研きながら、自ら労働移動を繰り返し、ポジションアップを目指していく人だろう。

日本の歴史をたどれば、京都山崎の油商人にだった戦国大名の長井新九郎こと斎藤道三や尾張中村の農家の倅だった木下藤吉郎こと豊臣秀吉などがいる。いずれも30ほどの職業を経ながら、名前も10回以上変えながら、自分の立ち位置・ポジションを上げていった人物だ。彼らは世渡り名人だ。
その時代は下剋上の世の中ともいわれ、鎌倉以来の温故知新を尊重(代表的な人物に明智光秀や細川幽斎などがいる)しながらも、それを打破する改革派が政治経済の面でイノベーションを巻き起こし、最後に平和の世の中を築いていった。後世の人は、それを戦国時代といい。室町期にイノベーションを巻き起した代表的な人物に織田信長を上げる人は少なくないだろう。
*滋賀県安土町の織田信長像
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変化に対応するということを象徴的なワードでとらえるならば、それは”上善如水”ではないだろうか。その基本とする考え方はタオの思想であり、東洋の思想である。それは水の特性を踏まえた人間社会の本質でもある。また、それを簡潔に述べるならば、水のごとく生きよ、ともいえるだろう。
信長、秀吉、家康の時代は、鉄砲が伝来し、兵農分離を取り入れ(従来農民の繁忙期には原則いくさをしない)、株仲間から楽市楽座(自由通商)へ、刀狩令(原則農民の武器を徴収)、検地の実施(全国各地の生産性を測定し統一基準へ)、山城から平山城、平城(平和な国づくり)での統治など、そのガバナンスが一変した。
*金沢城の前田利家像
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*戦国終末期に作られた平山城の彦根城
現代は、コンピューターやインターネットに代表されるICTの時代であり、飛行機や新幹線、エコカーに代表されるモビリティの時代でもあり、それらを十分に活用することで、先進国は従来の経済成長率よりも資本収益率優先の社会に突入したのではないだろうか。そして21世紀の先進諸国は、すでに高度な知価社会に入っている。
過去を振り返ると(仏蘭西の経済学者・ピケティは20か国の過去200年の資本経済の動向を分析したという)、そこに未来が見えてくる。
心配することはない。人口減少社会を迎えるわが国の未来は、そうした先人の歴史や智恵、価値創造・イノベーションの方法、行動様式、ガバナンス等を詳しく分析・観察することで自ずと先が見えてくるものだ。備えあれば憂いなしだ。

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