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2015年8月 4日 (火)

ICT、ビックデータの活用で零細店との情報格差をますます広げる大手

総務省のH25年度情報白書を読んでいたら、ご近所にある大手のパン屋さんが民間のビックデータ活用事例として掲載されていた。

小生、その店舗ではいつもSUICAカードで代金を精算していたが、そのパン屋さんはPOSレジにて、季節別曜日別時間帯別気温帯別にマトリックスを駆使し、商品別に生産販売管理をしているようだ。例えば気温が30度になるとパンの売り上げは通常より10%ダウンし、33度になると20%ダウンする。35度になると通常より30%売り上げが落ちるという。この猛暑はパン屋さんにとっては大変痛手だ。逆に氷屋さんにとってはかき入れどきだ。
そして総務省情報白書によると、そのパン屋さんのPOSレジ導入店は、未導入店に比べ、約2%ほど売り上げが伸びたと分析している。
つまり過去のビッグデータ分析データから商品(パン)のチャンス・ロスを極力減らし、売れ残りなどの償却率を引き下げ、歩留まり(コスト率)を良くするのに効果があるようだ(その店舗では売れ残りでもパンの価格を絶対下げないプライド・ベーカリーだ)。
毎日の生産販売量を決めているのは店長で、長年の経験(人間の勘ピュータ)とこのビックデータ活用によるハイブリット分析によるらしい。チャンスロスは見逃しの三振だ。売れるのに商品が用意されていない。売り切れ御免をなくし、後工程を準備する。それがICT活用によって可能になる時代なのだ。全国展開しているパン屋さんだからこそ、ICTによるビックデータが生きてくるのかもしれない。
が、しかし零細のパン屋さんは今後ICTをどう活用すればよいのか。それが大きな課題だ。後工程の準備が充分できないまま、職人技で売り切れ御免が偶然続く宿命なのだ(大方はそこまでいかない、普通の町のパン屋さんだろう)。
こうしたICTというインターネットの波やビッグデータ活用という大波に乗りきれない町の店舗と大手ベーカーリーの情報格差はますます広がるばかりだろう。小さいからこそ新たな商業政策や情報施策で彼らを守る必要があるのかもしれない。そのキーワードは個の情報の囲い込みと商店街等の共同ネットワーク構築にあるのかもしれない。
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*郷土の偉人・勝道上人の金剛杖を、我スマホに持ち替え、今日も各地を行く
既存商店への浸食が同様にコンビニ業界でも起きている。その結果、地域コミュニティの破壊が起きている。それは看過できない現象だ。こうして地域間競争の激化にインターネットやビッグデータが活用されている。大きいものが強いものが幅を利かす難しい時代だ。多様性こそ本来自然の法則にふさわしいのに。
☆さて当ブログも今回で599回となり、次回600回目の大台に乗る。果たしてどれだけの方々に読んでもらえたのか、続けるべきか、終了すべきか、小生なりの大きな課題だ。

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