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2016年11月

2016年11月30日 (水)

未来に向かって日本の持続可能な地域共同体、長野モデル私案

2016年11月1日に細内所長が、韓国の全州市で持続可能な地域共同体モデルの国際フォーラムにて招待講演をしてきました。その論旨は次のとおり。
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持続可能な地域共同体モデル、長野モデルとして、以下の仮説をもって唱えているのはおそらく私以外にいないかと思います。強いて言えば、長野県内でPPK(ぴんぴんコロリ)という言葉が使われていますが、私の長野モデルを簡単に説明するならば、その意味を解説する言葉の一つとなり得るでしょう。それは高齢になっても緩やかに働く(社会参加の)場が身近な地域コミュニティにあるということで、そこでだれもが主役となって働き、予防検診のもとに健康でハッピーに暮らしていこうとするものです。
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<日本のコミュニティ問題 >

★人口減少問題

・現在日本の人口1億2650万人が、30年後の2048年ころには1億人を割るであろうといわれている。⇒国力の低下、コミュニティ力の低下、企業の縮小・衰退
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★それに伴い予測される社会問題
・すでに始まっているが、本格的な少子高齢社会の到来で、医療・社会保障費が増大し、あわせて地域コミュニティの経営力が衰退し、地方に不健全なコミュニティが急増する(よって健康なコミュニティ、すなわちヘルシーコミュニティの必要性が高まる)。また地方自治体の財源不足も一層拍車がかかる。コミュニティ・ビジネスをもって地域コミュニティの経営に住民が直接参画する時代の到来が始まっている。
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ヘルシーコミュニティとは、地域課題を自ら解決する能力のあるコミュニティのこと。
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☆コミュニティファーストとは、一人の住民はコミュニティのみんなのことを考え、コミュニティは一人の住民の思いをおもんばかること。
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★地方自治体の喫緊の課題
・中央政府の指示のもと行われた平成の大合併により、地方自治体の数が3,300から1,700に整理統合され、公共サービスの低下がより一層懸念される。今後、縮小・消滅する自治体が増加し、集落の生き残り策が喫緊の課題となる。
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2013
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コミュニティ・ビジネスは、こうした貧しい公共サービスに対して、買い物・生活支援サービスなどに代表されるローカルサービスを代替し、地域住民の自主性、マネジメント力を向上させ、地域共同体の自己決定権を維持、発展させる。
コミュニティ・ビジネスが作るヘルシーコミュニティが、新しい信頼の形を作る
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1. 地域を一つの生活圏として捉え、職住近接の働き方、暮らし方をつくる

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2. 地域が必要としている仕事を顔の見える範囲の地域密着でつくる

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3. 地域の困った問題の解決や生活支援サービスを適度なビジネスで行う

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4. 地域の身の丈にあった等身大の仕事を職住近接でつくる

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5. 地域にある遊休資源を活用し、地域事業として外部経済を獲得する

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6. 地域の新しい社会づくり、共創づくりを地域のステークホルダーと並行して進める

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7. 地域で失った内部経済を地域の協業、すなわちコミュニティ・ビジネスで取り戻す


8.以上の働き方、暮らし方を総体的に進めることで、新しい自分おこし、地域おこし、信頼おこしが起きてくる。

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日本の持続可能な地域共同体:長野モデルの特長、県民人口214万人

☆長野県は、日本一の長寿県であり、かつ世界長寿トップクラスのコミュニティである(かつての予防検診の後進県から先進県への変貌)

☆長野県には、顔の見える地域コミュニティ(地域共同体)が多数残っている

☆地域住民には、住民自治の長い歴史と伝統がある

☆地域共同体には、冠婚葬祭などを地域で作り上げる伝統と文化がある(野澤組の自治活動や諏訪神社の御柱祭りもその一つ、そこには地域コミュニティのみんなが参加できる場と機会がある。最近はその場に観光客も参加できる仕掛けが観光地としての魅力を高めている。そうした地域の生活に密着する観光を私は生活観光と呼んでいる )(信州新町では商店街振興組合のメンバーが地域の葬祭をNPO事業として実施している)

☆子供から大人、高齢者まで、すべての年代で地域共同体に対する愛着心と誇りが強い(信濃の国の唱和もその一つ)

☆江戸期から庶民のための寺子屋が県内に1,400箇所もあり、日本一の教育熱心な地域であった(2位山口県、3位岡山県)

☆新進気鋭の精神と勤勉な暮らしを守る強い風土がある

70歳以上の高齢者起業率は日本一である(緩やかに働くことが可能な場が身近な地域で作れることは、適度な緊張感を育み、健康にも良い)

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☆コミュニティ・ビジネスを新しい信頼のかたち、社会参加の場、新しい地域の働く場(多足のわらじ)としてとらえていることが、その証である。

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諏訪大社の御柱祭りは、6年に一度開催される1200年前からのCB(経済循環)活動の一つであると私は思っている。その準備段階からとらえるとその経済活動はもっと短サイクル化することになる。

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*喬木村伊久間地区の事業発表会

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*野沢温泉村の朝市の賑わい

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*野沢温泉村の足湯と13の無料共同浴場

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*中学校における地区PTAのためのCB講演会

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*テーマコミュニティに集う花農場のクリスマス風景

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ロボットがコミュニティ参加をサポートしてくれる?

AIロボットと一緒に暮らす時代がまもなくやってくる(生産性新聞への寄稿より)。

2016年11月16日 (水)

全国津々浦々の講演旅行

全国津々浦々で活動する細内校長の講演やセミナー、助言等のスケジュールをお知らせします。(細内が校長を務める「町の学校」より転載

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☆細内校長の2016年8月からの東アジア、日本国内における「講演の旅」について、その訪問先をお知らせします

2017年の訪問先

1/22は、愛媛県宇和島市で『コミュニティ・ビジネスによる住民主体の地域づくり~ある自治体のCBによる住民自治おこし活動~」を講演します(愛媛大学COC主催、宇和島市共催)。

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1/23は愛媛県西予市で地域資源を活用したCB起業ワークショップ(西予市主催)行います。ふるってご参加ください。

2016年の訪問先

8/3、4は、総務省地域情報化アドバイザーとして岐阜県下呂市役所へ伺います。

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8/25、26は、岡山県庁岡山産業振興財団のご依頼で岡山県津山市で講演及び視察をします

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8/31、9/1は、北海道教育庁の依頼で札幌市の道民活動センターで講演・ワークショップを行います

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9/7、8は、総務省地域情報化アドバイザーとして岐阜県下呂市役所へ伺います

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9/13は、東京港区の大阪経済法科大学・麻生台セミナーハウスの第75回生活情報化研究会にて講演します

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9/20、21は、総務省地域情報化アドバイザーとして岐阜県下呂市役所へ伺います

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9/30、10/1は、四国愛媛県西予市の西予開成塾で大人編・子供編(2本立て)の講義をします。

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11/1、2は、韓国政府行政自治部地域振興財団から招待を受け、『グローバル共同体ファーラム2016 in 全州』にて『日本の持続可能な地域共同体』の講演をします

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11/28は、岐阜県下呂市小坂で下呂市主催のCBワークショップをします。

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12/6は、韓国の完州共同体支援センターから招待を受け、韓国における招待講演として4回目の講演をします。

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​12/10は、神奈川県寒川町社会福祉協議会の福祉大会 において町の学校から見えるものと題して講演をします。

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☆日本、東アジアの各地の皆様とお会いできるのを楽しみにしております

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☆集合住宅におけるコミュニティの醸成について、先日取材を受け、WEB上で公開されました。こちらもご覧ください

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*2010年国際スローシティ指定の全州市

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☆全州市の国際会議にて講演とディスカッションを行う

2016年11月 3日 (木)

韓国国際フォーラム「持続可能な地域共同体」にて講演してきました

11月1日韓国全州市の国際フォーラム「持続可能な地域共同体」(韓国政府行政自治部・地域振興財団主催)から招待を受け、日本のケースを講演してきました。知事や全州市長、政府行政自治部・地域振興財団理事長、大学関係者、コミュニティ・ビジネスの起業家、コミュニティ研究者などが参加され、ウエルカム・パーティでは貴重な交流ができました。今回で3回目の韓国招へい講演ですが、前回訪問が2010年ですから韓国訪問は久しぶりになります。2007年、2008年と続けて拙著2冊が韓国語で上梓されましたが、韓国でも多くの地域づくりの人々やコミュニティ・ビジネス起業家のみなさんに愛読され、こうした国際貢献もあるのだなと改めて思いました。


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☆私の招待講演はトップバッターでした(2番目はカナダのルイス氏)
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☆最近の国際フォーラムでは同時通訳と手話通訳はかかせない存在です

全州市は古代日本とも関係が深い百済の都がおかれ、その風景がどこか日本の風景と似ていました。全州市は古い町並みが残り、アジアの観光地で3番目に人気がある町だそうです(一番人気は北海道だそうです)。
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全州韓屋村の古い町並みが美しい
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☆全州の韓屋村は朝焼けが見どころ
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☆講演終了後は、持続可能な地域共同体についてパネルディスカッションにも参加しました
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☆ウエルカム・ランチにおける関係者との交流の一コマ
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☆国際フォーラムの翌日、案内されて慶事を招来するという日月山水図の前で記念写真(全州慶基殿)を撮る

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