学生に知ってもらいたい研究者と学者の違い
私は、30数年間にわたり一研究者であって学者ではない。
いわば真理究明に真正面から取り組む猿田彦的な存在なのである。
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1999年に細内信孝著『コミュニティ・ビジネス』中央大学出版部を上梓したが、この本は社会学やコミュニティの現場などで、NPO法や介護保険法の施行前後のこともあって、多くの影響をもたらした。そして20年が経過した現時点(2018年)から見た批評を加える若い学者がいまだに少なくない。
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しかし、1990年代の研究成果に20年も経過した現時点での視座をもって批判するのはお門違いである。
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研究者とは、よく調べて考え、真理を極める人のことであるから、新しいことを発見することに力点を置いている。
それに対して大学などで教鞭をとる教員(一般的な学者)は、その学問分野に対して正しい受け答えが必要になり、間違えは許されない。よってその内容を充分吟味する必要がある。だからといって学者が真で研究者が偽であるとは限らない。
研究者と学者は立ち位置や真理の究明方法が違うのある。研究者はアート的に現場でフレームワークを組み立てデザインする、一方学者は現場のデータを収集分析しサイエンスを行う。
だからこそ、学者は先行する研究者へのリスペクトと批評には充分注意を払って望んでもらいたい。世の中には両者が必要なのだから。
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このことを若い学生、研究者、学者を目指す人に正しく伝えてほしい。
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