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2018年7月16日 (月)

NHK大河ドラマ「西郷どん」を見て感じたこと~杞憂ではすまされない昨今

昨日7月15日のNHK大河ドラマ「西郷どん」を見て感じたこと。

江戸末期の薩摩藩は、さまざまな理由で借財が500万両もあった。
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その借財を黒砂糖の生産を主体に琉球経由の密貿易でしのいだ。
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そして薩摩藩は、郷士による地域支配体制のため、人口の25%が侍であった(全国平均5%の5倍である)。
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侍を養うため、農民は8公2民(年貢が80%もある生活で困窮を極めた)の圧政に苦しんだ。
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通常他藩は4公6民が一般的である。
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飢饉が起きる度、奄美諸島では、藩命が砂糖専売地域のため食糧に窮し、徳之島では5千人の餓死者を出したという(鹿児島県の経済団体の招きで講演をしたとき、地元の方からその話を聞いた)。
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これを現代の日本国に当てはめると、65歳以上の高齢者(すなわち年金生活者)は、すでに27%を超え、江戸末期の薩摩藩の扶持侍以上である。
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その鹿児島から講演依頼が入った。地域経営の様子を「西郷どん」に照らし合わせて見てきたいと思う。
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さて日本国の借財は、とうとう1000兆円を超えた。
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しかし企業の内部留保が400兆円(企業の余剰資金)もあり、さらに個人資産が1800兆円(その大半は一部の高齢者と富裕層のもの)ほどあるといわれている。
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財政バランス上は、借財1000兆<金融資産(400兆+1800兆)=2200兆円となるが、株価の上昇で金融資産の手持ちが増えただけで安心はできない。
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次に待ち構えているのは、その借財の返済方法だ。
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2019年秋には消費税が10%になるという。
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借財を返済していくには、消費税の大幅アップが欠かせない。
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その数字は、25%を超えるという。いや30%でないと超高齢社会は持たないと言われている。
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最近、日本列島の各地で激甚災害が多発している。そして毎年の新生児誕生が100万人をきり、94万人の超少子、超高齢の時代。
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2025年には団塊世代が後期高齢者となり、介護士が38万人も不足するという。
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薩摩藩の人口に占める侍比率25%よりさらに高い日本の高齢者(年金生活者)の存在がたいへん心配だ。
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天変地異も江戸末期に似てきた昨今、テレビの大河ドラマを通じて見えてくる薩摩の窮状は、今の日本国の窮状とダブって見えて仕方がない。
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杞憂だといって、すまされない昨今である。
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