限界集落の衰退を食い止めるには何家族何人の移住が必要か
先週7/15の「NHKスペシャルの人類誕生」のなかで、最低何人のカップルが移住すれば現地に定着できるか、という実験考古学の放送があった。これをスパコンで計算すると5カップルの10人以上が最低ラインと出た。
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ここで思い立ったのが、今から700年前の栃木県日光市足尾郷の5姓移住である。西暦1315年に日光の中禅寺から移住者として齋藤、細内、星野、神山などの5姓14人が山峡険しい足尾郷へと移住した。これは江戸期の足尾銅山開発前のことで、移住者5姓14人のその後の繁栄を見ると、スパコンの結果とほぼ一致する。
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将棋スパコンが人間棋士と対局しても優越がつけ難く、良い勝負になってきたことにも相通じる。よって経験則を著した過去のさまざまな文献なども貴重な資料である。特に地震や津波、豪雨などの自然災害に関する記述はたいへん重要な存在である。最近スパコンによるそうした解析も始まっている。
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そして限界集落の衰退を食い止めるには、この法則が適用できると考え、単に移住を呼びかけるのではなく、集落単位で5家族10人以上の計画性と動機付けをもって移住の推進を展開していくことを、過疎地の自治体にはお勧めしたい。漠とした移住促進では、年間37万人も人口が減っていくわが国の現状を止めることはもはや不可能に近いだろう。
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