あきんどの知恵、符丁
商人のお祭り、えびす講が今年も日本各地で行われたが、えびす講は商人にとって年に一度の大バーゲンセール(いまや毎日がバーゲンセールのお店も少なくない)。故にえびす講は秋の季語にもなっている。私も神戸市での講演の帰りに日本の商人の神様・西宮神社に参拝し、五千円の恵比須様の掛軸を購入したが、毎年かけないとご利益は得られないようだ。
さて商人が使う符丁をご存じだろうか?顧客には知られたくない、仲間内で使う言葉・暗号である。そして各商品につけて値段を示す印である。私の母方の家は、野州壬生、鳥居3万石の城下町の本陣脇で干瓢問屋を営んでいたが、いまはないのでそこでの符丁を紹介しよう。
まず商人道としての店是は『良き品安く売る。』である。この「ヨキシナヤスクウル マル」を数字に置き換え、例えば「ヨ=1」、「キ=2」、「シ=3」、「ナ=4」、「ヤ=5」、「ス=6」、「ク=7」、「ウ=8」、「ル=9」、「マル=0」としている。
商品Aの値札に『ヨキマル』とあると、それは「120円」を意味する。
こうした符丁は、顧客や他人に分からないように値段を表記する商人の知恵である。
☆彡
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