自由学園で学んだ先輩たちの本物の生き方、仕事の仕方に学ぶ
拙著の寄贈に向かったある市の中央図書館で『本物を学ぶ学校 自由学園』婦人之友社編集部(2021年5月上梓)を思わず手に取った。それは、その学校を卒業した3人の先輩たち(小田さん、日下さん、水木さん)の本物の生き方、仕事の仕方に共感、共鳴をしていたからである。
私が、オムロン系の生活文化の研究所に勤務していた当時(主任研究員時代)、東芝の生活文化研究所所長を定年退職して当社の顧問に迎えられていた小田さん(自由学園最高学部を卒業)に誘われて、羽仁もと子・吉一夫妻の自由学園(2021年4月で創立100周年)の体育祭や本物の校舎(ライトの設計による明日館など)を見学に行ったことを思い出したからで、幼稚園生から最高学部の大学生まで、一緒にリズムに合わせてスウェーデン体操をしている風景には正直驚いたものである。こうした幼少期から青少年期の一貫教育はどんな人間を作り上げるのだろうか、と1週間考え込んでしまったものである。
小田さんには、その後、元東芝の名物営業・宣伝マンの山田さんのご自宅にも連れていってくれた。彼のマッチ箱収集の膨大なコレクション(1室がすべてコレクションルーム)を見せていただいたが、山田さんとの会話を通して、名物社員とはこういうユニークなキャラクターを持ち合わせるものだと思った次第である。こうして小田さんには、研究員としての具備すべき視座、すなわち”本物のあり様”を、現場に連れていって見せていただいたようである。
次に私が同じ研究所の主任研究員時代に、多摩大学総合研究所とコミュニティ論、コミュニティ・ビジネス論の冠講座を共催した時(1996年から1998年の3年間)の大学側の責任者が日下所長(教授)であった。日下さん(大学からは東京大学経済学部を卒業)との思い出は、冠講座の内容を詰めているとき、小生の説明文の中で「地域密着型のコミュニティ」という言葉が何度か散見された文章を見て、ぴしゃりと「型」「型」はいらないと一刀両断に料理されたのが今でも印象に残っている。その会議は、日下さんが時々会話の中にユーモアのある話題を加味されたので、和やかそうに無事終了したが、言うべきことはハッキリと言う、という筋の通った人だと、感じ入った次第である。
そして同じ研究所の主任研究員時代に水木楊(本名は市岡)さんという作家さんが、私がコミュニティ・ビジネスの実装実験をしている現場事務所(墨田区両国)と稲城の個人事務所両方に取材で訪ねてこられた。当時新聞記者さんのような雰囲気と本物の真理を見極める眼を持っておられる方(彼の質問内容から類推)だな、と思った次第であるが、あとで調べてみると、日本経済新聞の取締役論説主幹をされた方で、自由学園の最高学部を卒業された人であった。
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さて三人三様のこうした生き方、仕事の仕方を見て、幼少期から青少年期までの一貫教育が、いかに個性ある本物の人間を創り出すか、感じ入った次第である。しかるに同時期に訪問した(1996年のエコロジー調査)ドイツ・シュタイナーシューレやスイス・ドルナッハで見てきた一貫教育のシュタイナー教育も同じであった。
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